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2014年ホスピス研修講座第2回   2014年12月6日(土)

 私らしく生きるために、思いを形に
 第2回 「想いのマップ」に触れてみよう!!
   テーマ2 「想いのマップ」に触れてみて
        若月 明子


 私は主人を先に看取るという確たる思いでいました。しかし昨年の1月に、胃の調子が悪くなり、ストレスかな、悪い病気かなと思い検査に行きました。実は膵臓に腫瘍が発見されました。どんな病気かとドキドキの毎日で、各医療機関で精密検査をしました。大丈夫かもしれない、でも悪性であればだめかもしれないと思い、エンディングノートをすべて書き、遺影写真も撮りました。そして私は日本尊厳死協会にも入っていますので、無用な延命はいらない、完治しない病気であれば自然死に任せてほしいということ、いよいよとなった時には緩和ケアで静かにこの世を去りたいとそういうことを書きました。結論から言うと良性で、経過観察はしています。
 6月に想いのマップの勉強会をして実際に書いてみましたが、どこか私の中で鮒に落ちない部分がありました。それは介護、療養についてです。子供に負担や迷惑はかけたくないという思いがありますので、何かあったら最期は病院だろうなという想いがあったのです。主人が私を看ることは不可能だと決めつけていました。ところがこの想いのマップ活用イメージを拝見して、びっくりしました。国は在宅医療を勧めているということは聞いてはいましたが、これだけの手厚いケアが可能であれば、家に居られるかもしれない、大好きな花やペットの犬の近くにいれば、私自身はもっと違う角度で療養できるのかもしれないと想いのマップに触れて初めて気付きました。だから、知っていそうで知らなかったというのが現実です。自分が介護される側としてこの想いのマップを書いてみました。

 私の好むこと、好まないこと
 してほしいこと、してほしくないことも含まれているかもしれません。自然死を希望しているので亡くなる時には相当細くなっていると思います。好まないことはその細くなった顔を見てほしくない。だからエンバーミング(遺体に防腐処理をして生前の面影を復元すること)をしてほしい。実際に書きはじめるとリアルに見えてきました。柩の周りで思い出話をしてほしい。自分史も書きました。小学校に上がる時に父親が倒産して天国から地獄に落ちました。でもそれがあったから今の自分がある…この話は3年くらいかかるのでやめます。どう療養したいのか、私は家で看とってもらいたいと完璧に決まりました、元気な時にやっておこうと思って階段に手すりをつけて、1階の居間に私自身がそこで眠れるように段差をなくしました。

 今起きていること 今の健康状態
 経過観察をしています。私はサプリメントが大好きで、ビタミンABCDカルシウム、毎朝色んなものを飲んでいます。睡眠は良くとっています。夜は10時に寝て朝は5時半起き、一気に寝ています。これも健康の秘訣と思います。

 これからの私
 年を重ねることに不安はないが日常生活、行動に注意を払う。もし病になったらそれは正面から受け止めよう。しかしやりたいことが山のようにありまして前向きで元気な60歳代以上の方々に来ていただく、終活カフェを開きたい。こういう夢を持った時に、非常に免疫力が高くなってくると自分で感じております。

 変わりたくない私変わりたい私
 ピンと伸ばした姿勢が私の取り柄なのでこの姿勢を保ちたい。それには骨粗鬆症にならないようにカルシウムをとったり運動したりしなきやいけない。書いたことを実践しようと毎日お風呂に入った後にストレッチをしています。何事も生涯チャレンジする心、学ぶ心、感謝の心、これだけは変わりたくない私として書きました。変わりたい私は少し頑固なところがあるのでもう少し柔軟にして頑張っていこう、素直にごめんなさいと言える私でありたい。

 実際に記入してみて気づきが沢山ありました。本来の私はこうだったかもしれない、このマップによって私自身変化があったという気がします。ですから生活についてもいつまでも明るく、生涯現役で仕事がしたいということでこのマップを書きました。
 我々はこれから旅立つために想いのマップに記して療養し、これからの時代を生き抜くために書いていく必要があるのではないでしょうか。いつ療養するかわからないので、元気な時に書ける時に書けるページだけ、ちょっと書いてみて気付きができるといいというのが、私の想いのマップに触れての感想です。いずれにしても地上で授かった尊い命ですからこの命は大事に使いたいと思っています。